研究内容
伊那市・長谷さんさん農園での農作業
農業経営学の対象は主に農業を行う経営体です。超高齢化社会を迎えた我が国の農山村では農業の課題は山積みです。しかしその一方で、多様な農業者や経営体が出現し、今までにない魅力的な農業を展開しています。
農業経営学研究室では、地域振興を目標としながら、農業経営体の育成を考えます。農業経営体のみならず、それらを取り巻く地域社会や食品・流通産業、消費者等、あらゆるものを研究の対象に取り込み、農業と農村の振興策を検討していきます。
信州をフィールドに
本研究室では、長野県の伊那谷をはじめ国内農村で起きている様々な事象に焦点を当て、現地調査を行います。
各調査地において自分が関心あるテーマのもとで、現場でその問題について対峙するだけでなく社会全体の問題として考えます。
Topic
新規就農
-農家以外の人が農業を始める-
かつては農家でなければ農業はできなかった。しかし、農家が減少したことで、農業は新たに門戸を広げた。非農家でも就農できる時代が来たのである。とはいっても、非農家は農地も農機も一からそろえなければならない。新たに農業を始めるには何が障壁になるのだろうか?どんな支援が必要とされているのだろうか?
Topic
みんなで協力する農業のかたち
-集落営農、有志グループ、共同運営農園-
農業において高齢化が進むと、農地の遊休荒廃地化が懸念される。集落営農は、農家(いえ)での農業経営が難しいのであれば、集落(むら)のみんなで農業するかたちをつくろうという考えである。その他にも、世帯を超えて、農業をする動きが見られる。こうした組織やグループは、若い人を次世代の農業の担い手として育て、農業を、農村を継承していくことはできるのか?
Topic
農村に暮らす人々と農との関わり
農村における農家の割合は低下し、混住化が進む。農村に住んでいても「畑しごと」「山しごと」とは無関係の人も多い。その一方、各地では地域外の人を呼び込む「農的関係人口づくり」が進む。課題が顕在化するなか、農村住民の実態を捉える。
Topic
若手農業者、女性農業者
-ジェンダーや世代間差-
農村には特有のジェンダー構造が存在する。ジェンダーとは男女の社会的な差を意味する。職業選択の時代においても農業はまだ特別な産業だろう。農業女性の多くは、パートナーと結婚し、それまでの職業キャリアとは断絶した農業の世界に飛び込むのである。農業に従事する女性特有の問題は何か?農業・農村における女性の活躍とは何か?農業において女性だからこその強みはあるのか?